COLUMN
これまでの道のり 5 ―もしもあの時
有名どころからのオファー
ちょっとは目立っていたのかも
ドイツのハイムテキスタイルに初出展した2003年。
インドや中国のブースが立ち並ぶ中にポツンとオブラブは出ていました。そんな日本の会社はほぼなかったので、欧米バイヤーが、ブースの看板と、商品と、私たちの顔と、目をいったりきたりさせながら怪訝な顔で近づいてきて「どこの会社?」
「日本です」と言うと、なにか納得したような表情をして、名刺交換をしてくる。或はちょっと横柄だった態度を少し改める。みたいな体験を少なからずしました。
商品が認められてうれしいけど、ちょっと微妙。
ZARA HOME
そんな中、INDEXというスペインの会社がブースにやってきました。話してみるとアパレルブランドZARAはここが運営している!
クッションカバーなど、オブラブのデザインをとても気に入ってくれました。これからホームテキスタイルのコレクションを作るので、それに使いたいと。
ZARA HOME
Googleで調べたところ、2003年にスタート。まさにその年の1月、ハイムに商品を探しに来ていたんでしょうね。
オブラブを売りたい
INDEXのオファーは「オブラブのデザインにZARAのネームをつけて売りたい」
でもわたしの静かなる野望は「オブラブのデザインを世界に売りたい」
そして懸念したのは、価格がシビアなOEMの取引で、いくら中国に工場があるからとは言え、デザインが気に入っているとは言え、お互いにメリットのある取引ができるのか?
相手が大きいだけに、慎重にならねば。
考えた末お断りしました。
もしもあの時オファーを受けていたら、どうなっていたのでしょう?まったく違う会社になっているかもしれない。回り回って今と同じような事をしているかもしれない。もう会社をやめているかもしれない。
こればかりはわかりません。
ただ自分の決断は信じようと思います。
(つづく)