新米ママを追いつめる夜泣き
NHKテレビで特集された子育て企画 『ママたちが非常事態!?』
「子育て」を「科学の視点」から見つめ、客観的に解き明かしていくテレビ番組です。本にまとめられた内容を順次紹介していきます。
夜泣きはなぜ起こるのか
おなかにいる時の名残り
九州大学環境発達医学研究センターの諸隈誠一准教授は、胎児の睡眠に着目し、おなかの中でどんなふうに眠っているかを研究しています。
胎児は30~40分の浅い眠りと深い眠りを交互に繰り返しています。そして浅い眠りの時に数回目を覚まします。観察を続けていくと、昼より夜の方が多く目を覚ましていることがわかりました。
なぜ夜に目を覚ますのか?
母体に負担をかけない仕組みが裏目に
胎児が起きて活動している時、多くの酸素を消費します。それはつまり母親の胎内の酸素を沢山使うことです。
母親は日中多くの酸素を必要とします。母体に負担をかけないために、胎児は昼の間はおとなしくして、夜目を覚ましているのです。ママ想いですね。
でもこの習慣が生まれてからも続くため、夜によく目を覚まし、ママを苦しめることに。
昼夜が逆転しているような胎児の頃の習慣は、およそ4-5か月ごろには大人と同じような睡眠リズムに変わり、夜泣きが徐々になくなっていくと考えられています。
目を開けていても寝ている?
玉川大学脳科学研究所の佐治量哉准教授の研究により、興味深い事実がわかってきました。
睡眠中の乳児の脳波を調べたところ、乳児は眠っているのに動いたり、声を出したり、目を開けることもしばしばある。
ママは赤ちゃんの変化を敏感に察知するので、声を出したり目が開いていようものなら、赤ちゃんが起きたと思ってしまいますよね。
でも、そんな時も必ずしも赤ちゃんが目を覚ましているとは限らないらしいのです。逆に睡眠中であるかもしれず、お世話をしたことがかえって赤ちゃんを起こしてしまっている可能性も。
夜泣きを乗り越えるヒント
佐治准教授は次のように提案されています。
夜寝ていた赤ちゃんが、動いたり声をあげたりして目を覚ましたように見えても、実は睡眠中であることも多いんです。だからすぐには抱き上げず、10秒間、様子を見守ってみる。そうすれば、赤ちゃんが本当に目を覚ましたかどうかがわかるはずです。
眠れない夜が続いているママたち、試してみる価値はあるのでは?
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