COLUMN

おっぱい事変6|これからどうなる

これは、ここ1年半くらいの期間に起こった、いや現在も進行形の、そこそこ人生を揺るがせたお話です。

まあまあな結果

5月20日、精密検査の結果を聞きにいきました。

「腋の下リンパに転移してます。骨への転移はありません。」
「核グレード3、これは悪性度が高いことを示します。」

癌は小さい(1.5cm程度)けれど、腋の下に転移しているので、ステージ2に昇格。(或いは降格なのかしら?) 

そして術前化学療法(抗がん剤治療)の話が出ました。

「2週間ごとに抗がん剤の点滴をして、全部で8回。3ヶ月ちょっとです。」
「抗がん剤が効いて、癌が小さくなって消えてしまう事もあります。」
「手術前に成果が見えるので、やる気がでますよ。」

抗がん剤治療ですか。
初めに告知を受けて以降、すぐに手術とばかり思っていたので、ちょっと意外でした。

「いつから始めますか?」

5月末に地元のイベントがあって、実行委員をやっているのでそれが終わってからがいいです。その後ちょっと片付けたい事があって、7月からでもいいですか?

先生が7月?というような顔をされたので、じゃあ6月中旬とか? 6月上旬?みたいなやりとりの後。

「今日決めなくてよいので、来週24日まで考えておいてください。」

5月24日に、心臓エコーと乳房内マーカー留置のため再来院するので、その時までにスタート時期を決めなければ。因みにマーカーとは、癌の位置を特定するための印で、これを事前におっぱいに注入します。これがあると手術の切除位置が正確になるのと、術前化学療法で癌が消えたとしても患部を見失わずに済むからです。

まあまあ刺激的な検査結果でしたが、私には他に気になる事が。

夢の金髪デビュー

ずっと、いつか金髪にしてみたい、と思っていました。

でも銀行とか堅い会社に対して金髪はマズいかなぁ。

とか。

金髪にするには、まずブリーチ。それは嫌なのよねぇ。

なんて事を思って、金髪の夢は叶わないと諦めかけていたところに、抗がん剤治療! 先生から渡された、抗がん剤治療の小冊子を見ると、副作用として脱毛は確実。このチャンスを逃すまい! ついに金髪デビューー!!!

5月20日に抗がん剤治療の話が出て、翌日21日に美容師さんにウィッグの相談、23日にはウィッグを購入してました。

素早い行動の裏には

私はNHK好きでして、NHKオンデマンドを契約しています。ドキュメンタリーや科学番組が多いNHKなら、きっと癌の特集もあるだろうと思い、”乳がん”で番組検索したところヒットしたのが、『26歳の乳がんダイアリー 矢方美紀』

この番組の中で、アピアランスサポート、という言葉を初めて聞きました。癌というだけでショックなのに、乳がん治療で起こる外見の変化で更にショックを受ける方は少なくありません。そうした方たちを美容の面からサポートするNPO法人ふくりびの存在を番組を通じて知りました。

ウィッグってカラーやカットを自分流にカスタマイズできるんだ。それなら行きつけの美容院でやってもらおう!

早速ふくりびに連絡をして、ウィッグの試着を依頼。100%人毛でブリーチ済みのウィッグがあったので、試着後すぐに買ってしまいました。

ウィッグ購入の助成金がある事も知りました。自治体によって助成の有無や金額は違いますが、台東区はあります!ありがとう台東区!

5月24日は明日。先生に6月入ってすぐ治療を始めると言おう。5月27日〜29日は地元のイベントだし、その後治療まで時間がありません。準備できることはやってしまおうと思い、なにか目的に向かって突っ走るような高揚感が私を突き動かしていました。

(つづく)

ウィッグを外しましたー

オブラブ代表 Mayumi Nishizawa

武蔵野美術大学卒業。つくること全般に興味があり、凝り性。好きな言葉「歩留り」